醤油で遊ぶ.

松本多恵子、「醤油アート」の世界.

CRAFT-LABO オープニング企画、“ピックアップアーティスト”は、千葉県柏市在住のアーティスト、松本多恵子(まつもとたえこ)さん.

現在は、“写真”と“絵画”を中心に独自の表現を構築する彼女ではあるが、それは、実像としての“写真”と実像の近似値としての“絵画”、その狭間における表現でもあると言える.

本年7月、仙台市内の画廊を貸し切り、約一か月の期間を設けて開催された第5回アガルタ展.

アガルタ展開催直後に、突然決定した個展であるにも関わらず、快く承諾して頂いたことに感謝しつつ、会場にてお話を伺いました.

今回、「醤油アート」は仙台発、仙台での個展も初.

これまで、油絵、水彩画、立体造形、各種クラフトを通して多彩な表現活動を行ってきた彼女が、現在たどり着いたのが「醤油アート」と「写真」.

とても、とても、直截的な方です.


「どうして、醤油なんですか?」「それはね、醤油は平等だから・・・(笑)」

大きな目をさらに大きく見開いてこちらの目を覗き込むように大笑いする姿に緊張もほぐれる.

松本さんとは7~8年ほどのお付き合いではあるが、実際に会うのは今回が初めて.まあ、何と楽しい方か.会期の半分を会場に常駐して頂き、また、仙台の作家との交流等、短い期間ではあるが、仙台を楽しんでいただけたのではないだろうか.

「私、思いついたらすぐ行動する質で、我慢できないんですよ(笑)」とは松本さん.早朝からの八木山動物園、作並のニッカウィスキー工場見学(ついでにウイスキーを一杯)等、多忙なスケジュールを割いての行動力は実に見事で、何か、そこに、「醤油アート」との関係を垣間見れるような気もするのである.

「醤油アート」とは、水彩絵の具や、油彩絵の具の代わりに画材として「醤油」を使用するもので、どこの家庭にでもある一般的な調味料を用いた技法である.ただそれだけの事ではあるが、それだけのことが中々思いつかない.思いついたとしても、作品として完成させるための手法が思いつかない.が、それを実現したのが松本多恵子さんである.

2019年2月、国の重要文化財である旧吉田家住宅歴史公園のギャラリーで開催された個展を機に、地元千葉では一気に注目され始めている.「醤油」といえばキッコーマン醤油の本社が千葉県野田市にあることを考えれば、「醤油アート」の機運が千葉で高まるのは当然でもある.

現在、「醤油アート」の第一人者として多忙な毎日を送る松本さんではあるが、「でも、やはり主婦なので、優先されるのは家事なんですよ.でも、考えることは、表現の事ばかりで・・・」とは松本さん.「そんな時、ふと目にとまったのが醤油だったんです.台所にはいつも醤油があって、家事をしながら思いついたときに絵が描けるし、日本の家庭には、必ず醤油はあって、誰でも簡単に絵が描ける.私にはもってこいの画材でした」「私自身の経験からですが、誰でも辛いとき、苦しいときがあると思うんですが、そんな時絵を描いたり、ものを作るとホッとします.そんな風に皆さんにも「醤油アート」を楽しんで頂きたいですね.」とは松本さん.

 「平等」且つ、「簡単に」そして「思いついたときに、その場で、」表現を楽しめる.それが「醤油アート」の一番の魅力である.直截的な感性の持ち主である松本さんであるから成功したと言えないだろうか.

 

醤油アート、ある一つの企て(笑.否、意外と真面目に・・・)

例のクリっとした目を更に大きく見開いて、「実は、私、醤油アートに関しては意外と計画的だったんですよ.」と.

「実は以前、企業様の仕事で、あるクラフトを担当していたんですけど、母の介護の事とかいろいろな悪条件が重なってしまって、途中で挫折してしまったんです.それが情けないやら、悔しいやらで、いつか絶対に挽回してやるぞ ! ! !っていう気持ちはあったんですよ.それが醤油アートへと繋がったのは確かですね.私、負けん気が強いから(笑). 

 

いろいろ試行錯誤を繰り返しましたね・・・

一番苦労したのは、濃度の問題でした.紙の吸い込みによりますが、どうしても乾燥すると色が薄くなってしまうんですよ.醤油っぽくならないんですよね.そんな時に協力して下さったのが、柏市の喫茶店、カフェ・ユニオのオーナー染谷政代(そめやまさよ)さんだったんです.現在 お店は休業されてますが、オーナーとはもう10年以上親交があって作品展も開かせていただいていたんです.もともと柏市内ではアートの発信基地みたいな性格のカフェだったので、いろいろなアイデアをいただきましたね.醤油を画材として使うというアイデアも、カフェ・ユニオでの試行錯誤から生まれたものなんです.」「カフェ・ユニオにはアート関係の方々も多く集まっていて、エンボスヒーターであぶるアイデアは、柏市のアートフェスタ、“アートラインかしわ”の関係者の方から頂いたものなんです」カフェ・ユニオFB→  アートラインかしわHP→

 

今後の抱負は、そうですね・・・

「結局、醤油アートって、多くの方々の試行錯誤から生まれたものだし、柏市のアートシーンから生まれたものでもあるんです.柏市には本当に感謝していますし、今後、醤油アートで何かお返しができればなーって思っています」

松本多恵子さんについては、東葛まいにち掲載記事 ”肩書は「主婦」 しょう油アートに込めた家族への思い  柏市在住 松本多恵子さん”も併せてごらんください≫


第5回アガルタ展 第2期 松本多恵子個展

2019年7月5日(金)~7月14日(日)

会場/メリーメリークリスマスランド メリラボ

企画/アド・プランツ


会場全体にバランスよく配置された「醤油アート」約20点.淡い褐色の色調でまとめられた作品が、白で統一された会場でさらに際立つ.仙台での初個展でもあり、「醤油アート」そのものが仙台初ということもあり、来場者はどちらかというと作家が多かったようでもある.

今回の個展で発表された「醤油アート」作品約20点.※1点はアクリル.モチーフはご家族であったり、地元柏の何気ない風景であったりと多彩ではあるが、中には抽象的な表現もあり、アクリル絵の具との混合技法により「醤油アート」の多様な可能性を暗示させるものもある.作品によって、色の濃度が異なるのは、水による希釈の割合の違いによるもの.また、紙によっても発色は異なる.「最近は和紙に描くこともあって、紙によって発色が違うんですよね.ただ、醤油のメーカーはあまり関係ないような気がします(笑).」とは松本さん.

松本多恵子さんの作品は、清水メガネ様ウェブミュージアムでも公開しております≫

 

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写真、分け隔てなく降り注ぐ光の中で・・・

「以前海外旅行をしたとき、キリスト教の教会に立ち寄ったことがあったんですが、教会の内部に区画があって信者は入れるけど、そうでない人たちは入れない場所があったんです.何かおかしいなって感じていた時、壁一杯に嵌め込まれたステンドグラスを通して、外の光が室内に、それも色とりどりの光が室内に充満し始めたんです.私とっても感動してしまって・・・」.「写真を撮り続けているのも、そんな誰にでも平等に降り注ぐ光を画材にしているかもしれませんね」とは松本さん.

ここ数年は画像処理技術の普及によって、写真が有する意味も変わりつつあるが、松本さんの写真はその行為において、極めて直観的であるし、その意味において写真的である.「いつもカメラを持ち歩いていて、事あるごとにシャッターを切っていますが、写真を撮っていると光が分け隔てなく注ぎ、神様のような存在を感じます。」とは松本さん.千葉県展や二科会の写真部を中心に作品の発表を続ける松本さんではあるが、最近では音楽家のCDジャケット用の撮影等、幅広く撮影の依頼にも対応しているとの事.

※お問合せ・撮影の依頼は当ページ下のフォームをご利用下さい.

写真は、仙台市在住のサキソフォン奏者 宍戸陽子(ししど ようこ)さんのアルバム「Poco a Poco (ポコ ア ポコ)」のジャケット写真.松本さんが撮影を担当.



松本多恵子さんのその他の写真作品は、松本多恵子フォトサイトにて公開しております.併せてお楽しみください≫

似顔絵、描きます ! ! !

会場では、来場者の方からの似顔絵の依頼にも即対応.

先ず鉛筆で大まかな輪郭を取ると、水で薄めた醤油を筆に含ませ、一気に仕上げる.

「淡彩のような扱いですよ・・・」とは松本さん.仕上がるにつれて、画面からは仄かな醤油の香りが立ち上り、醤油であることを実感させられる.余白のバランスを見ながら、約10分ほどで着色は終了.その後エンボスヒーターで乾燥させると徐々に彩度が上がり、約15分程度で完成.

「地元での作品展の時などは、似顔絵の依頼も多いんですよ.だからいつもカバンの中には醤油と筆が入っています・・・」とは松本さん.

「時には、写真を送っていただいて、写真から似顔絵を描くこともあるんですよ」.似顔絵は全国対応で、額装の相談にも対応しますとの事.如何でしょうか、醤油の香り漂う一枚.

料金は、紙質、描画の程度によっても幅があるとの事.ご興味のある方は一度お問い合わせください.

※お問合せ・似顔絵の依頼は当ページ下のフォームをご利用下さい.

仙台での個展の際に、お客様からの注文に答える松本多恵子さん.



終了いたしました.ご来場いたきました皆さま、ありがとうございました.

柏融展~柏に住まう作家たち~

松本多恵子さん、最新の展覧会情報です.

仙台での個展後、地元柏市でのグループ展に参加.

柏融展~柏に住まう作家たち~

柏市に在住する7人の作家のグループ展。彫金・彫刻・アクリル画・洋画・日本画・松本さんは「醤油アート」と「油彩」で参加.油彩画4点、醤油アート6点の展示.松本さんらしく、お母様や娘さんの肖像を中心に、地元柏の風物や身近な人達をクローズアップした作品を展示.

「多くの方々に醤油アートを見ていただいてとても満足です.これをきっかけに更に醤油アートの普及に努めたいですね」とは松本さん.お疲れさまでした.

会期:2019年8月7日(水)~10日(土)

時間:10:00~18:00

会場:柏市民ギャラリー/柏市柏一丁目7番1-301 DayOneタワー3階

主催:柏市文化・交流複合施設 パレット柏 


「三姉妹(冬の訪れ)」醤油アートの新作.

お母様の肖像(油彩)を背景に松本多恵子さん.

「醤油アート」を背景に松本多恵子さん.


[略 歴]

松本多恵子(まつもと・たえこ)

柏市生まれ柏市育ち。短大卒業後、みずほ銀行に就職。結婚を機に銀行を退職。2013年には香港でヘリテージDECO(デコパージュの一種)の技法を習得し、講師として(株)アシーナ・NHK文化センター柏校・ヴォーグ学園東京校にて講師活動・普及活動に携わった(2017年退職)。

写真家活動は2010年から開始し、二科展・千葉読売写真展・写真千葉県展・千葉県民芸術祭に入選し、「柏そごう」にて個展も開催。また2016年ごろ「醤油アート」の技法を発見し、実践を始める。「アートラインかしわ」や柏を中心にしたギャラリー等での展示・ワークショップ等を通して普及に取り組んでいる。現在は、おもに写真と醤油アートに取り組んでおり、醤油アートの第一人者としても知られるようになっている。

松本多恵子 醤油アート公式サイト https://soysauceart.jimdo.com/

松本多恵子 フォトポートフォーリオサイト https://taeko-matsumoto.jimdo.com/

フェイスブック https://www.facebook.com/taeko.matsumoto.946

インスタグラム   https://www.instagram.com/taeco_/

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松本多恵子さん/アガルタ展会場にて
松本多恵子さん/アガルタ展会場にて

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クラフトラボ運営事務局で受信後、責任をもって松本さんにお届けいたします.

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